広告漫画家1年生!⑦作家に求められる要素を知ろう(アンケート結果発表)【仕事術|営業|副業|リピート依頼】
こんにちは。
イラストデザインスタジオゆずさくらやの柚木ロウ(@yuzuyuzu_low)です。
前回は「⑥依頼し続けられる工夫をしよう」ということで
依頼し続けられるための具体的な行動についてご紹介しました。
広告漫画家1年生!で色んなことを伝え続けてきて、
ありがたいことに、私自身途切れることなくお仕事ができています。
しかし、ある時こんな風に思いました。
そもそも何をもってクライアントは私を選んでくれているんだろう?
クライアントに選ばれる広告漫画家になる為の要素って何?
知れたら他の皆も何かしらの対策取れるかも…
そう思い立ち、アンケートを実施することにしました。
というわけで、第7回のテーマは
こちらのアンケートの結果発表を兼ねた「作家に求められる要素を知ろう」です!
今回の記事では、以下のことがわかります。
- 依頼者はどこで広告漫画家を探しているのか
- 依頼者が「依頼前に」重視する要素は?
- 依頼者が「依頼中に」重視する要素は?
- リピート依頼したくなる条件とは?
では早速解説していきます!
今回凄くボリューミーなので、
要点だけ抑えたい人は「まとめ」まですっ飛ばしても大丈夫です!
スポンサーリンク
目次
アンケートの実施にあたって
依頼され続ける広告漫画家になる為には、
選ばれる広告漫画家になる為の要素を知る必要があると感じ、
お客様が広告漫画家に求める要素の把握、
並びに広告漫画家の営業力の底上げの為アンケートを実施しました。
アンケート依頼先
アンケートは以下の皆様に宛てて、メール、Chatwork、Twitter経由でご協力をお願いしました。
(アンケート実施期間:2022年2月28日〜3月6日の1週間)
- 柚木ロウの取引先(個人)
- 作家登録をしている制作会社(複数社)
比較的広告漫画の仕事に携わった方からの回答が多く寄せられ、
最終的に18名の方からの回答をいただきました。
アンケートにご回答いただいた皆様、
お忙しい中ご協力いただきありがとうございました!
アンケート質問項目
実施したアンケートの質問項目は以下の通りです。
- 広告漫画を描いて欲しい作家を探す場所はどこですか?(複数回答可)
- あなたがその作家に依頼するかどうか判断する際に【1番】重要視する要素はどれですか?
- あなたがその作家に依頼するかどうか判断する際に【2番目に】重要視する要素はどれですか?
- あなたが依頼中に作家に対して【1番】重要視する要素はどれですか?
- あなたが依頼中に作家に対して【2番目に】重要視する要素はどれですか?
- 案件終了後、「またこの作家に仕事を頼みたい」と思う条件は何ですか?(複数回答可)
- その他、これから御依頼する広告漫画家に伝えたいご意見、ご要望があればお聞かせください。
続いて、各項目のアンケート結果について発表します。
アンケート結果発表
1問目から順番に、グラフと分析結果を解説していきます。
①広告漫画を描いて欲しい作家を探す場所はどこですか?
Twitterと広告漫画制作会社(代理店)経由で探す
Twitterと広告漫画制作会社(代理店)で作家を探す人が多いようです。
社内登録作家も同じですね。
意外とTwitter経由で作家を探している人が多く、
私自身もTwitter検索にて「広告 漫画 制作」などで見つけてもらい、
お仕事の相談を受けたことがあります。
他のSNSはInstagramに票が入っていますが、FacebookやYoutubeはランクインせず。
SNSを仕事に活用するのなら、まずはTwitterが一番有効なようです。
プロフィールなどで広告漫画を制作している旨を書いておくと、
見つけてもらいやすいかもしれません。
広告漫画制作会社(代理店)経由で探す人も同じくらい多いので、
広告漫画の仕事をしたい人は、作家登録をしてみるのが
企業案件を獲得する近道かもしれません。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
クラウドソーシングで探す
Twitterや広告漫画制作会社(代理店)に次いで多かったのは
クラウドソーシング経由で探す人でした。
制作会社の登録作家やクラウドソーシングを利用している作家は、
そもそも作品発表ではなく「仕事として絵を描く」為に登録しているので、
ビジネス的な意識が高く、依頼側のニーズに応えやすいという
前提条件があるからかもしれません。
その他にも、検索エンジンやpixiv、展示会で作家を探すという人も
少数派ですが見受けられました。
②あなたがその作家に依頼するかどうか判断する際に【1番】重要視する要素はどれですか?
まずは視覚的にその人の作画・表現力がわかるものを重視
1位に「サンプルイラスト、漫画」、2位に「実際の制作実績」という2つに割れました。
「この人に依頼したらどんな物が仕上がってくるのか」という事前イメージを掴むため、
視覚的にその人の作画・表現力がわかるものを重視していることがわかります。
ただし、今までの実績よりもサンプルを重視する傾向にあるようです。
実績0で今から広告漫画を始めたい人にとっては、
サンプル次第で今からでも十分案件受注のチャンスがありますし、
すでに活動中の作家にとっては、
今公開しているサンプルを見直して改善することによって
受注率が上がる可能性が高くなると思われます。
どういうサンプルを作ればいいのか迷った時は、
ぜひこちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
③あなたがその作家に依頼するかどうか判断する際に【2番目に】重要視する要素はどれですか?
視覚的要素に加えて、二次的要素も検討材料に
1番目に重要視する要素とは違い、2番目に重要視する要素はいくつかに分かれました。
「サンプルイラスト、漫画」「実際の制作実績」と
引き続き作画・表現力が視覚的に確認できるものを重視する傾向にあります。
制作料
2番目に重要視する要素として3位に「制作料」がランクインしました。
視覚的要素が制作費より重要視されるという結果と合わせて、
「予算内で絵を描いてくれそうな人」を探しているのではなく
「作家の絵を見てから予算と相談」という流れが読み取れました。
以上から、制作料はあくまでも検討材料として二次的要素な様子なので、
仕事が欲しいからと言って無理な格安料金を設定する必要はない
という根拠になったのではないかと思います。
SNSでの作家の人柄
2番目に重要視する要素として4位に「SNSでの作家の人柄」がランクインしました。
Twitterで作家を探す人が多いこともあり、
作家の人柄をツイートから判断していることが読み取れます。
サンプルが申し分なくても、その作家を信頼できるかどうかは別問題です。
愚痴や病みツイートなど、あまりマイナスなことは呟かない方がいいでしょう。
とはいえ、心の安定のために吐き出すことも時には必要でしょうから、
吐き出し用の鍵アカウントなどで、仕事用アカウントとは区別することをお勧めします。
下記記事でも解説しましたが、
「Twitterは基本的に見られている」と思って使いましょう。
また、5位に「絵柄の幅の広さ」がランクインし、その他の項目はランクインなしでした。
判断する上での安心材料にはなるかもしれないけど、「あるに越したことはない」程度なようです。
④⑤あなたが依頼中に作家に対して【1~2番に】重要視する要素はどれですか?
依頼中に重要視する要素については、1番目・2番目共に傾向が見られたのでまとめて発表します。
依頼中は「作画能力外の作家自身のビジネススキル」が重要視されている
2番目に重要視する要素は結果が割れたものの、上記グラフの赤枠で囲ったような
「スケジュール管理能力」「コミュニケーション能力」「提案力」といった
作画能力外の作家自身のビジネススキルがかなり見られているという結果になりました。
スケジュール管理能力
スケジュール管理をしっかりして、締切を守って仕事ができる
そんな作家が圧倒的に求められていることがわかりました。
締切を守ことだけでなく、
イレギュラーが起きてスケジュール調整が必要な場合、
早めに連絡ができるとなお良いでしょう。
余裕のあるスケジュールを組んで、
締切より早めに納品できたら120点!くらいに思っていてもいいかもしれません。
ちなみに私も制作スケジュールを立てるときは
必ず「予備日」を作っていて、締切前に制作が完了するようにしています。
順調に進めば締切より前に提出しますし、
子供の体調不良などのイレギュラーが起きた場合でも
予備日のおかげでなんとかなる場合も多いです。
スケジュール管理がしっかりできれば、
「この人に頼めば案件が滞ることはない」という信頼にも繋がります。
コミュニケーション能力、提案力
ここについては苦手意識を持つ作家さんも多いのではないでしょうか?
しかし、この結果をよく見るとこういう人物像が見えてきます。
「より良いもの(提案力)」を
「円滑に(コミュニケーション能力)」に制作してくれる作家
なんだか一緒に仕事しやすそうな人物像だと思いませんか?
制作物のクオリティの高さ
制作物のクオリティの高さもクライアントが喜んでくれる大事な要素の一つです。
しかし、こちらについては依頼前に重要視したサンプル等で
「このくらいのクオリティの物が仕上がってくるだろう」という
前提条件があるので、
- 期待通りの物が仕上がってきた!
- 期待以上の物が仕上がってきた!
これらの違いは、先述した話につながりますが、
「より良いもの(提案力)」を「円滑に(コミュニケーション能力)」制作した結果による…の、かもしれません。
「指示通りに作ってくれること」はランクインせず
選択肢の中で唯一「指示通りに作ってくれること」はランクインしませんでした。
おそらく、これは依頼する上での最低限の条件であり、
或いは、指示以上の良い提案があれば積極的に採用していく姿勢がクライアント側にある、
という表れなのだと思います。
制作中に「こうした方が良いかも…?」と思ったことは、
積極的に提案してみましょう!
提案することと「こうした方が良いと思ったのでやっておきました!」は全くの別物なので、
「こうした方が良いかも?」と思ったことをすぐに実施するのではなく、
必ず事前にメッセージで相手の意見をうかがうようにしましょう!
⑥案件終了後、「またこの作家に仕事を頼みたい」と思う条件は何ですか?
最もリピートしたくなる条件は「円滑なコミュニケーションのしやすさ」
依頼中に重要視する要素でお話した話につながりますが、
やはり「仕事のしやすさ」を感じる要素として
「コミュニケーション能力」が最も求められるようです。
でもコミュニケーション能力って言っても
今からどうすれば良いんだろう…
そんな人は、まずはこういうところから意識してみてはいかがでしょうか?
- 早めの連絡
- 返信は即レスが望ましいが、難しい場合は数時間以内に
- イレギュラーの連絡は、イレギュラーが発覚したらすぐに
- 感謝の言葉
- メッセージに「ありがとう」を入れるだけでも大分やりやすくなります(以下、例)
- 「お早いご連絡ありがとうございます!」
- 「新規案件のご連絡ありがとうございます!」
- 「わかりやすい修正指示で助かります!」など
- メッセージに「ありがとう」を入れるだけでも大分やりやすくなります(以下、例)
次いで「制作物のクオリティ」や「修正力」が評価
コミュニケーション能力に次いで多かったのは
「納品物のクオリティ」や「修正に対する対応力」といった
作画・表現力が評価された要素でした。
「修正に対する対応力」についてですが、以前とある編集さんから
「こだわりが強すぎて修正を受け入れられない人もいる」
という話を聞いたことがあります。
こだわりが強すぎるとそこで仕事が止まってしまいます。
修正指示が来てどうしても違和感を感じてしまうのであれば、
その「こだわり」を「提案」として投げてみると良いかもしれません。
それでダメなら大人しくクライアントの意見を尊重しましょう。
クライアントの修正指示(意見)にも、ちゃんと理由があるはずですから。
私も過去に、社内向け漫画の案件で、
よりわかりやすくするための提案が通らなかったことがありますが、
クライアント側から「会社の歴史の一部をどうしてもこのシーンに入れたい」
という、こちらでは想定できなかった理由がありました。
クライアントの意図を汲み取るという意味でも、
ちゃんと相手の意見に耳を傾ける必要があると思います。
また一緒に仕事がしたくなる「作家の人柄」
「作家の人柄」もリピート条件の要因になり得るようです。
単純に、態度が悪い作家、否定的なことばかり言う作家とは
「これ一回きりでいいかな」と思ってしまうものです。
どうせなら一緒に仕事をして楽しかった、好印象だった人にまた声をかけたくなるでしょう。
また一緒に仕事がしたくなるかどうか、
ビジネスに限らず、こういう選択は結局「人」で選ぶのだと思います。
プラスαでやってくれたら嬉しい要素とその他
「締切より早く納品してくれる制作スピード」や
「こちらの要望に対する提案力」は、
プラスαでやってくれたら嬉しい要素なのかなという印象を受けました。
制作スピードは締切を守るためのスケジュール管理能力にも直結するので、
筆が早いに越したことはないと思います。
また、「制作料」については
「このくらいのボリュームでこの制作料であれば、他の仕事も頼みたい」という
次回以降の予算の指標になる、という面もあるのかなと思いました。
先述したように、制作料自体はあくまでもリピート条件の二次的要素で、
最重要事項というわけではなさそうです。
⑦その他、これから御依頼する広告漫画家に伝えたいご意見、ご要望
最後に、アンケートに回答いただいた皆様から いくつかコメントをいただきましたので紹介します。
編集の皆様から作家に対する想いだけでなく、
作家にとって非常に為になる内容も書いていただきましたので、
ぜひ、今後の活動の参考にしてみてください。
いつも大変助けられております。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
広告漫画業界が盛り上がっている今、継続した案件の獲得が難しいこともあるかと思います。
初めてのご依頼はやはり実績や作画のサンプル等から判断して行うことが多いですが、
その後お客様からリピートいただく方は納品物のクオリティはもちろんですが
「予め決められた〆切を守れる方」
「要望に対して作画などで+αのご提案をしてくださる方」
が多いと感じております。
昨今では広告漫画を目にする機会がさらに増えていますが、
ただ「広告に漫画を導入する」というだけではなく、
漫画によってターゲットユーザーを意識したサービスや商品の魅力を
最大限に引き出すことが重要かと思います。
広告漫画だから当たり前のことかと感じる思いますが、これが中々に難しいです。
お客様に感動を与えて読み手に希望を持っていただき、
実際に行動を促すといったことを意識して作られた作品は、
作品からその熱意が感じられ、そのような制作ができる漫画家さんを心から尊敬しております!
これからもお客様や読み手の心に訴える・印象づける作品の制作を
漫画家さんと協力して行っていきたいと思いますので、宜しくおねがいします。
漫画やイラストの複数の絵柄(タッチ)のサンプルがあり、
また様々なサイズ感やコマ割り(通常原稿サイズ、LP用コマ割り、動画用サイズ等)でのサンプルがあると
クライアント様にもご提案や推薦しやすく、ご依頼の幅も広がるのかなと感じております。
いつも大助かりで作家さんには感謝とリスペクトばかりです。
広告マンガの会社で編集をしているものです。
個人的には、広告マンガ家さん方には、いつも助けられていて、有難いと思っております!!
編集者と漫画家さんの良い関係がたくさんつながっていくとうれしいです。
改めて、この度はお忙しい中アンケートにご協力いただきありがとうございました!
スポンサーリンク
まとめ
以上、「作家に求められる要素を知ろう」についての解説でした。
今回のアンケート結果は、広告漫画家だけでなく、
イラストレーター、デザイナー、ライターなど、
様々な職業の皆様にも共通して活かせる内容だったのではないかな?と思います。
私も、サンプルの内容を更新しつつ、
より良いものを円滑に制作することを日々の仕事で意識して、
「柚木さんに頼んだら仕事が滞りなく進んで助かるよ〜」
と思ってもらえるような作家でいられるよう精進して参ります!
また、「自分は他にもこういうことも意識してるよ!」などございましたら、
是非SNSで発信してみてください!
以下、簡単なおさらいになります。
- 依頼者はどこで広告漫画家を探しているのか
- 主にTwitterや広告漫画制作会社(代理店)
- 次いでクラウドソーシング
- 依頼者が「依頼前に」重視する要素は?
- サンプルや制作実績など視覚的に作画・表現力が確認できるもの
- 依頼者が「依頼中に」重視する要素は?
- 作画能力外の作家自身のビジネススキル
- スケジュール管理能力、コミュニケーション能力、提案力
- リピート依頼したくなる条件とは?
- 最も多いのは「円滑なコミュニケーションのしやすさ」
- 「制作スピード」や「修正力」などの作画・表現力
- また一緒に仕事したくなる「作家の人柄」
- プラスαの提案ができる
広告漫画家1年生!では、随時読者様よりテーマを募集しています!
下記テーマ募集フォームより、お気軽に応募してくださいね^^